No.1京都府 京都市立藤城小学校
【インタビュー協力者】
・出口常太郎さん《藤城安全委員会会長》
防犯パトロールについて
安全委員会はどのように始まったのですか?
出口さん:全て人災だと思っとるんです。つまり人が引き起こした、人が油断したということ。天災と言われる地震だとか、台風だとか、豪雪豪雨は人間の力ではある意味防ぎようがない。しかし、事件や事故は必ず人間の力で少なくすることが出来ると、私自身はそういう信念を持っています。その思いをこの安全委員会に打ち明けて、賛同を得て、安全委員会を作ったわけです。それが平成18年。京都市、京都府が安心安全な町づくりに積極的に乗り出した時期ともちょうど一致していました。
コンセプトを教えてください。
出口さん:清潔で安全で、安心して住める町がコンセプトです。パトロールは抑止力であり、地域の方へ安心感を与えると同時に、パトロールで生まれる地域の情報交換、コミュニケーションがとても大切だと考えております。
パトロール時に気をつけていることはなんですか?
出口さん:これは即効性のあるものではないんです。決まった時間にこうして全員がパトロールをやっていることで、通行者、地域の人も含めて、“地域のために、地域の人が、みんな力をあわせてやっているな”とわかるのが第一番。それが犯罪やいろんなことの抑止力になるという風に私は考えているんです。
何コースくらいあるのでしょうか?
出口さん:東部、西部、中央部、北部の4ブロックありましてね、地域の全体を知ってもらおうということで、自分が住んでいる地域に限らずやってもらっているんです。
大体1時間くらいでしょうか?
出口さん:大体1時間。今日、これは東部の2というコースで、地域の遠いほうですけども、近いところもあります。パトロールごとに変えているわけですから、年に平均すれば大体全部回れます。
実際何名くらい出回っているのですか?
出口さん:今日のパトロールに案内を出したのは65人程ですけれども、去年の実績は大体35~36名。4コースに分けて回っています。これには学校の先生やPTAの方も参加してもらっています。
毎日ではないのですよね?
出口さん:毎日ではないです。皆さんの都合とかもありますからね。大体年間5回ペースです。その他に少年補導が回っていることもありますし、町内で子供見守り隊を作っているところもあります。いろんな組織でやっているわけですが、全体としてはこの安全委員会が中心になってやっています。
パトロール中、不審者に遭遇したことはありますか?
出口さん:ありますよ。もちろん。しかし、我々は自衛組織ですから摘発するわけではありません。前回も回っている最中にもめごとがあったりしましたが、警察官を呼んで処置をしてもらうようにしています。パトロールは即効性がないから持続せんと。ジレンマは確かにあるけれども、何にも事件がないということは、抑止力が潜在しているんだということを信じているんですけどね。
このコースは安心安全マップでいう危険地域を回っているのですか?
出口さん:いえ、そうではないんです。危険な地域は危険な地域として皆さんに勉強してもらうというか、気をつけてもらうためにお配りしたんです。このコースは、危険な地域といいましても交通が非常に危険なところだとか、坂が多いところだとか子供たちの目線で危険な地域ということです。防災や災害の関係で、実際に地域を回ってビデオにしたものもあるんですよ。