No.1京都府 京都市立藤城小学校
【インタビュー協力者】
・大畑眞知子さん、松井順子さん、高橋 猛さん、塩見隆己さん、出口常太郎さん
得られた知見
防犯研修と避難訓練
・教職員は非常時に備え、実践的な訓練や研修を行う必要性がある。
・実践的なシミュレーションで防犯認識を高めておく必要がある。
・訓練内容は児童への影響(精神的ショックを与える内容は避ける)も配慮することが重要。
・目標は、児童が指導者の指示に従い、速やかに避難できることである。
教職員の防犯体制
・防犯委員会など避難訓練の企画運営を行う役割を設け、計画的に訓練や研修を行う。
・年に一回、防犯マニュアル、連絡体制等の共通理解を行うことで、非常時の教員同士の連携や、効率的な行動力の向上を図る。
学校の方針
・藤城小学校では、学校を開放することで地域の人達との交流を図り、教職員だけでなく地域の目でも子どもを見守るという方針を採用。
・多くの人が頻繁に出入りすることで、不審者が近づけない環境を形成。
子ども見守り隊
・地域でボランティア活動を行うときは、シンボルを設けることで地域の一体感を出すことができる。
・シンボルの入った防犯グッズを身につけて活動を行うことによって、防犯活動への意識が高まり、子どもたちも安心感を抱きやすくなる。
子どもの安全に関わる情報の発信
・藤城小学校運営協議会内に、情報教育を担当する情報部会を設け、広報誌を作成。地域への情報発信を行っている。
・学校運営協議会という立場から発信することにより、学校の広報誌とは違い、地域の情報により焦点を当てた情報の発信が可能となり、学校と地域にまたがって伝達できるメリットがある。
・また、藤城やまざくら通信では、地域での防犯活動の情報、活動への呼びかけ、子どもの安全に関しての啓蒙等を実施。月1回のペースで発行し地域の各家に配布することで、地域全体にタイムリーかつ安定した情報提供を可能にしている。
子ども110番の家
・子ども110番の家は、設置するだけでなく、どこにあるのかが子供に伝わっていることが重要。
・安全マップを作り子供たち一人一人に配布するほか、安全マップを使った課外学習も実施し、子ども110番の家の位置、危険な場所などを把握させるようにしている。
・実際に子どもが駆け込んだ例はなく、家の存在そのものが抑止力となっているといえる。
防犯パトロール
・パトロールは即効性のあるものではなく、抑止力である。
・地域全体で防犯に努めていることを示すと同時に、パトロールを行うことで生まれる情報共有やコミュニケーション、地域への安心感が重要である。
今後の課題
・ボランティアの方は高齢者が多く、子育て中の保護者は仕事等もあり活動に参加できないということが多い。
・こうした場合、地域と保護者の間で意見の食い違いが生まれないようにすることが大切である。
・子ども110番の家は、核家族化や共働きの影響で数が減少。危険な場所に家を設置することが必要。
・地域ボランティアと警察で連携を取るのは簡単でない面もあるが、いざという時に警察に協力をお願いできる環境を整えておくことが望ましい。
規準表へ反映すべき項目
子ども110番 43 c
「子ども110番の家」の場所と目的を子どもに認知させる方法を理解している
(1)子ども110番の家を子どもに把握させる方法を説明できる。
(2)上記の方法を企画し、協力団体と活動を進めることができる。